2012年1月11日水曜日

これまでの尺度では測れなかった日本の成長 - Dean Baker

The Japan Story | Beat the Press より一部抜粋

※試験的に翻訳を外部に依頼してみたため、誤り等が含まれる場合があります。




日本の不況についての議論を、Eamonn FingletonがニューヨークタイムズのSunday Reviewで始めた。それ以来、Paul Krugman( クルーグマン「さらに日本について(難しめ)」(2012年1月10日) – 道草 )や他のメンバーがこの討論に加わっている。多くの人から私の考えについて訊かれていたので、個人的見解を書いておこうと思う。

まず私は、日本が無力だというのは的外れな見方だというフィングルトンの説明に同意する。GDP成長は弱まっているが、生産性向上の度合いはOECDの平均値よりも良い。


生産性の向上率(年平均) / 出所:OECD

日本は比較的低い正式な失業率(4%近辺)に加え、「隠れた」失業(多くは女性におけるもの)にいまだ苦しんでいるというのはほぼ確かなようだが、これらのいずれもが明確に悪いものとは思えない。

Fingletonの主張はいくつかの部分において、おそらく行き過ぎたものだと思うが、過小評価しているかもしれない部分もある。私は90年代末の日本の旅客鉄道の価格指数についての記事に言及したことを思い出す。(つまらない話ではないので書いてみる。)

その記事は、品質改善という観点を見落としていたために、正式な日本の指標がインフレを過大評価したものになっていたことを示す内容だった。その品質改善の主なものは、列車の混雑具合の改善によるものだった。

筆者はファーストクラスとセカンドクラスのシートの価格を比較し、両者の主な違いはファーストクラスの乗客は座席が保証されていることだと述べていた。しかし混雑具合が改善されたため、セカンドクラスの誰もがシートを確保できる可能性が高くなった。これは調査期間終盤のセカンドクラスのシートが、調査開始ごろのファーストクラスのシートと同じくらい良いものになっていたということだ。

これは列車の価格指数においてかなりの違いを引き起こした。この品質改善(混雑度の減少)を考慮すると、価格上昇率がずいぶんゆるやかになったことを効果的に示したのだ。

この問題はより広範囲にわたる日本のサービス品質における重要な要素となり得る。混雑の解消により飛行機やその他の移動手段を利用する人が少なくなったり、公園、ビーチ、その他の混雑する公共スペースで過ごす人が減れば、これまでの経済の尺度では取り上げられなかった基準ではあるが、それは生活水準の実質的な改善を暗示するかもしれないのだ。

この問題について誰がリサーチを行ったかどうかも、日本人がこのような混雑の緩和から得られる恩恵について、誰が数値化しようと試みたのかも分からないが、これはおそらく重要なことだと思う。


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