2011年12月10日土曜日

「天下一バーゼル3劣後債リテールハメ武道会」始動へ向け第一歩

先日話題となりました、どこかに買われるだの買われないだのうわさになっている野村先生のこれ



ですが、ひとまず申込期間は12-22日、発行は26日と決まったようでございます。

【クレジット市場】野村がメガバンクに先駆けバーゼル3劣後債発行へ - Bloomberg


ここで簡単に発行の背景を同記事からおさらいしておきますと、

金融機関の新しい自己資本規制「バーゼル3」では自己資本比率の計算にプラスの影響をもたらすことのできる「劣後債」の条件が厳しくなります。

これにより現在、同社が発行する劣後債はこの要件を満たさず、Tier2に算入することができなくなり、少しずつ自動的に自己資本からリムられていきます。

したがって、今回の新劣後債の発行は既発債を早期償還し、「(野村HD先生にとっての)資本の質を高める」狙いがあるわけです。
(このあとで言うように、これが行われればバーゼル3対応確定!ではまだありませんのであしからず)


さて、改めてその新発債の条件をみてみると以下のとおり。


1)「公的資金注入で元本全部踏み倒します条項(通称:条件付債務免除特約)」

金融庁や監督当局が「野村は実質破綻です」と表明したら投資元本消えます。
こんな利率でいいんですか?

2)劣後債です

一般債務に劣後します

3)「Tier2に入れられなかったら元本返しておしまいにしましょう特約(通称:期限前償還条項)」

「5年経ったら早期償還します」条項と同時に、「当局に聞いたらこの条件で出した劣後債もTier2算入認めてくれませんでした!」となった場合には、のみゅーらー先生が投資家に元本100%+未払いの経過利息を支払ってゲームは終わりです。

もしもそうなった場合にはまた新しい劣後債っぽいのが出てくるかもなので乗り換えてあげてください!
(上記文言は個人投資家に当該行為を推奨するものではありません)


さて、bbgの記事によれば、

  シティG証の高橋氏は、野村が発行に成功すれば、「今後、金融機関が同様の劣後債や優先出資証券を発行する際、先駆する外資系金融機関に加え、野村にも引き受けで優位性が出てくる」と分析。ただ、「個人投資家がバーゼル3や返済免除特約について理解できるかなど問題点」もあり、格付けや利率の適正かでも議論を呼びそうだという。



今回の発行は金融機関にとってのベンチマーク(人柱)となるだけでなく、成功したら他の金融機関にドヤ顔で「オレに任せな」と言えるかという優位性もあるそうです。

個人投資家が「理解できるか問題」に関しては、そこはもう、野村先生ですから、そんなの問題じゃないです。ここにチェック入れてください。

議論を呼ぶときには、実際にもう何か起きてる頃ですから、そこも皆さん安心しましょう。


そういったわけで、当初5年間の利率は年1.50~2.90%と、野村先生におかれましてはとってもお求めやすい価格となっておりますので、レート決まったらまたこのネタで飲み会開きましょう。


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